神様のささやき

僕には感謝しなくてはいけない人がたくさんいる。まずは父母、祖父母。ここまで育ててくれてありがとう。お世話になった先生、友達、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。他にもたくさんいるが、今日感謝したい人はずばり「ゴボウが食べられると気付いた人」である。本当にありがとう。あなたのおかげで僕は幸せです。

 

僕はゴボウが好きだ。きんぴらごぼうはもう定番中の定番。ごぼうサラダも好きだ。ごぼうの唐揚げ、もはや居酒屋のメニューはこれだけでいいのでは?と思ってしまうくらい好き。セブンイレブンに一時期ごぼ天うどんがあった時は毎日食べていた。なくなった途端、この世界はほんの少し寂しくなった。あ、ゴボウの入ったハンバーグも大好き……と、いう感じでごぼうが好きだ。だが、ゴボウのビジュアルを思い浮かべてほしい。「根」である。これが食えるとは到底思えない。よく食べようとチャレンジしたものである。しかし、そのおかげで僕は幸せなGOBO-LIFE(ゴボウを食べて幸せを噛みしめる生活のこと)を送れているわけだ。感謝しなくてはならない。

 

ゴボウに限らず、「よくチャレンジしたな」と思う食べ物がたくさんある。ジョジョプッチ神父も「最初にキノコを食べたやつを尊敬する」と言っていたが、まさにその通りだろう。僕らは食べられると知っているから食べているが、僕がもしシイタケを初めて見たら口に含もうとは思わない。触っても何かかぶれそうだからそっとしておくと思う。

 

もしかすると、ゴボウやシイタケを初めて見た人達は神様に耳元でこう囁かれたのかもしれない。

「これ、食えるで」と。

レンコンを見た人にも囁いただろう。「これな、穴だらけやけどな、めっちゃ美味いで」と。ウニを見た人には「自分食えへん思ってるやろ、中開けてみ?ちびるで」とちょっとワクワクしながら囁いたに違いない。神様何弁だよ。あと多分囁いていない。きっと多くの試行錯誤の末に食べられることが分かったのだろう。シイタケもレンコンもウニも好きなので感謝である。

 

ただ、どうしても何故食べられると思ったのか分からない食べ物がある。石川県の郷土料理である「フグの卵巣の糠漬け」である。本来猛毒のあるフグの卵巣をなんやかんやする※詳しく知りたい方はhttps://goo.gl/GDRx93と、毒が消えるというのだ。しかも何故消えるのか分からないという。フグの卵巣を初めて見た人に神様は「あかんあかん、それ毒あるから食べたら死ぬで」と囁いているはずだ。にも関わらず食べようとした。多分、糠に漬け出したあたりで「え?なんで??なんで食べようとするん??毒やで??言うたやん??やめとき???」と再度囁いたに違いない。最初よりも大きな声で。神に欺いた食べ物である。

 

そんなフグの卵巣の糠漬けがなんと!!本日!!こちらに!!……ないのである。残念。いつか石川まで行き、神の水(日本酒)と共に頂いてみたい。あ、石川県には沢野ごぼうなんてゴボウもあるのか。食べてみたい。