孤独に目を覚ますJ.BOY

最近、広瀬香美の「Groovy!」という曲をよく聴く。カードキャプターさくらというアニメのエンディングに使われていた曲だ。

カードキャプターさくら自体、小さい頃にちらっとしか観たことがないが、この曲は強く耳に残っていた。そもそも、カードキャプターさくらのエンディングということは知っていたが、曲名までは分からなかったので最近調べて聴き出したのだが。

一曲フルで聴いてみると、一箇所違和感のある歌詞があった。それは2番の頭の方に出てくる。こんな歌詞だ。

 

街を見渡そう 電話やパソコン オンラインの扉

隠れてる 探そうよ この世は ハァ〜〜〜〜周りまっさ〜〜

 

この「ハァ〜〜〜〜周りまっさ〜〜」という歌詞、なぜ急に香美は神輿を担ぐかのような歌い方になるのだろう?と驚いた。「ハァ〜〜〜〜」の後に「ヨイショッ!」と言いたくなる。「周りまっさ〜〜」というのもよく分からない。何弁なのだろう。とにかく、陽気な曲なので陽気な感じを出したかったのだろうか。

一応、歌詞を確認しようと見てみると「ハァ〜〜〜〜周りまっさ〜〜」ではなく「宝島さ」と言っていたようだ。聴こえていたように書くのなら「たぁ〜〜〜〜からじまっさ〜〜」である。そしてこの歌詞の前に出てくる「オンラインの扉」と聴こえていた部分は「未来の扉」であった。ここは気づかなかった。パソコン、携帯ときたらオンラインでもおかしくない。

1番で「地球だって周るよ」と言っているのでこの世が周っていても、いや、周りまっさ〜〜しててもおかしくない…と思った自分がおかしかった。

こうやって歌詞を聞き間違えていたという曲は他にもある。浜田省吾のデビューシングル、「路地裏の少年」のある歌詞に至ってはおよそ20年ほど勘違いしていた。

僕の父母は大のハマショーファンで、幼少期から車のBGMはずっとハマショーだった。自分でCDを買うまで音楽=ハマショーだと思って過ごしてきた。特にこの「路地裏の少年」という曲はたくさんバリエーションがあるので流れる回数が多かった。

歌詞の中で特に印象的だったフレーズが

 

いつか孤独に目を覚ます

 

という歌詞だ。

幼少期は意味こそ分からなかった。が、大学を卒業する直前、友達と遊んでいる時に「今はこうして遊んでるけど、みんな就職したら遊べなくなるなあ」とふと思ったその瞬間、ハマショーが「いつか孤独に目を覚ます」と僕に囁いた気がしたのだ。

これか。みんないつまでも当たり前に一緒にいるが、いつか別れる日が来る。若きハマショーはそのことを歌っていたのだ。なんて切なく、そして素敵な表現なのだろう、と感動した。孤独に目を覚ます時は必ずくる。ただ、その時まで楽しい夢を見ていたい…とキザに思ったのである。

後に歌詞を見てみると「いつか孤独に目を覚ます」ではなく「いつかこの国目を覚ます」だったと知り、目を覚ましていないのは自分だったと思い知るのである。この恥ずかしい勘違いが消えるまで風を切り闇の中を突っ走りたい。

 

追記…改めてまた「路地裏の少年」について調べてみたらけっこう同じ勘違いをしている人がいたのでちょっと安心した。