黄昏射手座流星群
この間立ち読みした雑誌に、
「12月◯日〜1月◯日の星座占い」
というようなコーナーがあった。
僕は射手座なので、射手座の運勢を見ると
「いろいろなことを学ぶ時期。
思わぬところで奢ってもらうことがあるかも。
小さな無駄遣いに注意」
みたいなことが書いてあった。
去年の10月から転職し、3ヶ月経つ。
12月ごろから「もう慣れてきたでしょ」と
言わんばかりに仕事が増え、
その都度様々なことを学ぶ機会が多い。
ある日、遅くまで仕事をしていると
会社の先輩から飲みにでも行こうと誘われた。
そこでも仕事のアドバイスを受けた。
飲み会でのアドバイスは社内と違い、
人生そのものについて考えるような
ありがたいアドバイスだ。
これもまた学ぶことがたくさんある。
そして「小島くん、今日は出すよ」と
言われ、ご馳走になってしまった。
「ありがとうございます!」
と、嬉しい気分になっていると同時に
妙な既視感があった。
そう、
当たっているのだ。
あの占いが。
無駄遣い。これも最近よくある。
コンビニでちょっと高い肉まんを買ってしまったり、
会社でオフィスグリコのお菓子をむさぼったり、
年始のセールで安くなってたからといって
『死語パーカー』を買ってしまった…などなど。
これが『死語パーカー』である。いつ着るんだ。
と、怖いくらい占いが当たっているのだ。
この1ヶ月、学んで奢られて無駄遣いをしまくっている。
ただ、同時にこう思う。
「すべての射手座がそうなのか?」と。
そもそも射手座とは
11月23日~12月21日生まれの人を指す。
当たり前だが相当な数の射手座が
この世には存在する。
「射手座のあなたは今日頭に隕石が降ってきて死にます」と言われたら、
空から何万もの隕石が降ってくるに違いない。
そして死ぬ。
占いが当たっているのは単なる偶然なのか、
それとも監修した占い師が
未来予知ができるのか…
と、会社の新年会後に
バーで仕事のアドバイスを受けながら
ハイボールを奢ってもらい、
帰りの電車をうっかり乗り過ごして
家までタクシーで帰っている途中に思った。
きっとこの寒空の下で同じように
タクシーに乗っている射手座がいる…
かもしれない。