後世で「すっげえ奴」と思われたいからラッパーのはにわを作ろう!
はあ。
いいね、「すっげえ奴」。
例えば、超大金持ちとか、足が超速い人ってすごいですよね。
僕は別に足も速くないし、お金も全然持っていないので、
全然すごくない、いわば「凡夫(ぼんぷ)」です。
なんとか「凡夫」を抜け出して「すっげえ奴」になりたいなあ。
でも、今から頑張っても無理な気がするなあ・・・
そこで考えました。
後世ならいけるんじゃね?
ところでみなさん、「はにわ」はご存知でしょうか。
「はにわ」とは、古墳時代に作られた王様や豪族、
その土地の実力者の墓「古墳」の周りに置かれたオブジェのことです。
古墳に眠る人を守る「厄除け」の意味もあったのですが、
はにわの種類や置かれている数によって、
その人の権威や力を表していたともされています。
つまり、はにわとは「すっげえ奴」の象徴なのです。
後世、つまり死後、自分の周りに「すっげえはにわ」があったら
「こいつ、すっげえ奴だったんだ」と思われるんじゃね?
しかし、はにわを作ると言ってもそのまま作っては
「大昔の人」と思われてしまう可能性があるので、
現代の「すっげえ奴」にふさわしいはにわを作りたいと思います。
現代の「すっげえ奴」といえば、そう・・・
「ラッパー」です。
「ラッパー」は超大金持ちで、たっけえ服を着ながら、
たっけえ車を乗り回し、夜な夜なパーティーを開いているものです。
しかもラップで大金を稼げるほどの才能があって、
頭の回転も早く、多分足も超速いです。
とても羨ましいですね。なりたいですね。
なので今回はラッパーっぽい
イルでドープなはにわを作っていきます。
※イル:かっこいいの意味
※ドープ:かっこいいの意味
それでは早速始めていきましょう。
まずは粘土に触れてみよう!とのことで、
普通のはにわを作ってみます。
とりあえず道具を揃え、机をセッティングしました。
そして粘土をこねていきます。
ここからはダイジェストでいきましょう。
できました。
初めてにしてはなかなか可愛らしくできたのではないでしょうか。
???「コ、、、、」
「ん?なんだ???」
「えもくんこんにちわ!」
「はにわが喋った!?」
「えもくんが上手に作ってくれたから自我が芽生えたよ!」
「本当は?」
「狂言回し的なキャラクターがいた方が記事が読みやすいから誕生したよ」
・はにわを知ろう!
「まずは、はにわの種類から勉強していこうね」
「はにわはざっくり分類すると、円筒で、古墳を守る魔除や、テリトリーの役目がある『円筒埴輪』と、主にその人の権威や力を表す『形象埴輪』の2種類があるよ。」
「今回はこの中でも『形象はにわ』を作っていこうかな」
「そうだね!じゃあまずは『形象はにわ』の中でも『人物はにわ』を作っていこう!」
「え、誰。怖。」
「ラッパーのはにわを作るんだったらスタイルから変えていかないとな。今からはKozy.E(こずぃーいー)と呼んでくれ」
「こずぃーいー・・・?」
「作業道具とかもそうだけど、形から入るスタイルなんだね」
「ye」
・「人物はにわ」を作ろう!
「『はにわ』と聞いてまず思い浮かべるのがこの『人物はにわ』じゃないかな。王様や武人(兵士)、巫女を象ったものが多いよ。人物はにわの種類や置き方を観察することで、まつられている人がどういう人だったかが分かるんだ。」
「なるほど。それはとてもill(イル)だね。」
「古墳時代生まれだからよく分からないけど・・・と、とにかくじゃあ作ってみよう!」
こね・・・こね・・・
「できたぜ。これはKozy.E生涯の中でも最高傑作だぜ。」
「さっき生まれた人格でしょ」
「まずは俺自身を象ったはにわだ。」
「首元のブリンブリン※がお洒落だろう」
※ラッパーがつけている派手なネックレス
「土色だからわかりづらいね。でも、王様を象ったはにわにも豪華な装飾がついていたりするよ」
「あとは俺の大切なCrewたちのはにわと・・・」
「2MC 1DJなんだね。ファンキーモンキーベイビーズと一緒だね」
「これはあの“伝説の夜”をはにわで再現してるんだぜ」
「いつだよ」
・「器財はにわ」を作ろう!
「人物はにわは一応できたから次は『器財はにわ』を作ってみよう!器財はにわっていうのは盾や剣といった武器だったり、船や家を象ったものがあるよ。魔除の紋様が彫ってあるものもあって、古墳から邪悪なものを遠ざける意味もあったんだ」
「おい!!なんとか言えよ!!!」
「ようは俺の持つ『財』をはにわにアウトプットすればいいってワケだな」
「なんか違う気もするけど、それでいいや」
こね・・・
こね・・・
「さっきから気になってたけど、ネックレス邪魔そうだね」
「・・・できた。これこそまさに俺の最高傑作だ」
「さらっと最高傑作を更新するな」
「これは俺の築き上げてきた財、いわば力の象徴・・・」
「俺の唯一の武器であるマイクロフォン、そしてストリートを駆けるいかつい車、そしてなんかよく分からないけどめちゃくちゃ高いスニーカーだ」
「自分で言っておいて虚しくならない?全部嘘なんだよ?」
・はにわを並べてみよう!
「じゃあこいつをとりあえず並べてみるか」
「まずは布団を敷いて・・・」
「畳なんだ・・・」
「ここではにわを並べてみよう」
「並べ終わったぜ」
RIP…
(Rest in Peace)
「これで俺もLegendだぜ・・・」
「・・・なあ、Kozy.E。アンタ本当にそれでいいのか?」
「自我を持ったはにわ・・・?」
「アンタのやってることは所詮フェイクのまやかし!!すべて虚しいライフのごまかし!!」
「俺は観たぜリアルなヒップホップ。コンプトンから築くリアルなストーリー!お前は気付いているか?自分が何を築いているのか!?」
「こいつ、俺がはにわを作ってる間に『ストレイト・アウタ・コンプトン』観てやがる」
※ストレイト・アウタ・コンプトン:2015年に公開された、伝説のラッパー グループ「N.W.A」の映画
「クールだぜリアルな生き様。ざまあねえなお前の有様。全部見てるぜお天道様」
「くっ・・・」
「そもそもはにわはその人のリアルな権威や力を後世にも伝え残すためにあるもの・・・つまり『リスペクト』の象徴でもあるんだ。アンタにはあるか?フェイクだらけの人生をリスペクトされる可能性が」
「いや・・・」
「だったら生み出せリスペクトある人生!今すぐにただせよ方向性!フェイクじゃないリアルで生きていこうぜ!!なろうぜ本当の『すっげえ奴』!!!」
「アーーーーーーーーーーーーーイ!!!!!!」
「・・・そうだな。確かにフェイクだらけの人生だったら、たとえ豪華なはにわがあったってだせえよな」
・・・・・
「ありがとう。これからはリアルで生きていくよ。そしていつか自分の力で『すっげえ奴』になってみせる・・・!」
まさか、はにわに人生を説かれるとは思いませんでした。
「後世」には生きてきた証が残るもの。
リアルに生きてこそ、「すっげえ奴」になれるんですね。
よし!
今日から貯金して、ビッグマネーをつかむぞ!!
「貯金箱だったんだそれ」